完成までの道のり。
お仕事の依頼があったのは昨年12月頃。ちょうどY-Houseでお世話になっていた,松田さんからの依頼だった。お願いしたい物件があると。しかもスグにでも着工して欲しいくらいだと。場所も深江でそう遠くではないし,その時は急ぐ物件も無かったので引き受けさせて頂こうと思ってました。まずは現場を見に行くことに。現場に着いてスグに目に飛び込んできたのは栗林。正直,すんごく山の中で家を建てれるんだろーか??と思いました。工事車両の入れる道もなく。建設予定の場所にはたくさんの栗の木がそびえ立っている。しかも水道だってない。工事途中までは川の水を使ってましたしね笑。とりあえず家を建て始めるまでに,やらないかん事がいくつかあった。帰り道の車内で社長がこの現場は色々と大変だろう。無理に引き受けなくても。正直ボクも感じとっていた。がどうしてもやりたい気持ちにはウソをつけなかった。やるかやらないか答えは平行線をたどっていた。次回,お客さんにお会いするまでに返事をする約束だったがまだ回答がでず。そうしている間にその日を迎えた。銀行でお会いし,工期・予算・家に対する思いなど聞かせて頂きました。返事は社長を差し置いてボクが発した。『なんとかなるでしょ。引き受けましょ。』そもそもうちに建てて貰いたいお客さんがいて,うちを進めてくれる松田さんがいて断る理由なんて一つもなかった。またまた帰りの車内では社長と口論になったのは言うまでもなく。最後は全責任ボクがとるので任せて下さい。とお願いした。呆れた様子で納得してくれました笑。
こうして工事は大自然と向き合いながら進んでいく。普通なら経験できない事もたくさん経験できたと思う。家の方でも松田さんと本音をぶつける事もしばしば。松田さんがそういうスタイルで進めていこうと言ってくれたのも大きかったし,なんせ自分自身,今回の現場で成長できたのは事実であり感謝している。設計士,工務店という立場は違えどもいい家を作りたいと思う気持ちはみな同じであり理想の関係が築けたと思う。
今、完成をまじかにして家の一つ一つを自分の目や手に取って確認している。そこには形になるまでの思い出とか職人さんの顔とか浮かんできてジンとくるものがある。良い家・素晴らしい家を建てる事はボクらにとっては当然のことで、いかにお客さんに喜んで頂けるかほんとそこに尽きる。協力して下さった皆様ありがとう。感謝しております。
かんとく yamaguchi