|新築|有田の家
Architects_松田和也/Kazuya Matsuda / kitorepe キトレペ 建築設計事務所
Photo_Hiroki Kawata
Contractor_DIARY 成村建設株式会社
Architects_松田和也/Kazuya Matsuda / kitorepe キトレペ 建築設計事務所
Photo_Hiroki Kawata
Contractor_DIARY 成村建設株式会社
最初に訪れたのは寒さの厳しい冬。まずこの大自然と土地の広さ圧倒された。土地の広さ1,500坪。
一般の区画販売の土地の約25倍。そこには所狭しと栗の木が聳えたっていた。
区画・整地された土地に家を建てる事がほとんどの今。今回は車・重機の入る道づくりから始まった。
搬入口を作り、通行の妨げになる木は間引きし家までの道を一歩一歩作ってゆく。
気づけば家つくりに差し掛かるまで数ヵ月の月日が流れていた。
そして怒涛の数ヵ月が過ぎいよいよ家づくりが始まる。
ここまでくればいつも通りと安心しきっていたボクに自然の厳しさを痛感させられる。
まず水道がきていなかったので、近くまで山水をくみに行かなければならない。
仮設の搬入通路を作ったものの、大雨のあとは特に車が埋まってしまい皆で加勢して助け合う事もしばしば。
またその大雨で掘削した土がべちょべちょになり、数日は水たまりが残ったまま。
こういった事を繰り返しながら徐々に工事は進んでいった。
内部からはぐるりと外の景色が伺える大きな窓がある。四季折々外の風景が楽しめそうだ。
仕上げ材も既製品には頼らず人の手で作ったモノがほとんど。そこには人の温かみがある。
また歳月が経てば経つほど、この家も家族のたくさんの思い出がつまった素敵な家に変わっていく。
そう住みながらつくる家へと。
糸島市 [2014‐2015]
Architects_松田和也/Kazuya Matsuda / kitorepe キトレペ 建築設計事務所
Photo_藤本幸一郎/Koichiro Fujimoto
Contractor_DIARY 成村建設株式会社
古民家改修
唐津市 [2015.10]
唐津市の中心部にありながら木々に囲まれ、茶室や坪庭もある古民家の改修工事を行いました。
表札の裏に大正2年と記されていたので築102年の家と判明。長らく空き家で更地にして売るという話があったそうですが、お施主様の古民家好きセンサにかかり「ちょっと見せてほしい」とアクションを起こされたことがきっかけとなり残った家。
はじめて訪れた時、このあたりにこんな素敵な建物があったんだ!と興奮気味に家中隅々まで見せていただいたことを覚えています。解体されず残ることになって本当に良かったです。
今回の改修工事は新しくした部分もありましたが、補修や不要部分を取り除く等なるべく現状のまま使えるものは使うというご要望でしたので、傷んだ部分を治していく工事がメインになりました。
傷んだ構造部分や配管、ボロボロの繊維壁のみを塗替え、ひどく傷んだ縁側床は無垢材だったので削ることができ塗装するととてもきれいに、それから茶室のアルミサッシを木製の雨戸へ、畳表替え、襖や障子貼替え、庭木の剪定などなど。
ガラリと大きな変化はないのですが治す部分・手をいれる部分は多く、職人の腕の見せどころの多い現場となり、丁寧に手をいれ変化していく様子をお施主様も楽しみにされていたようです。
お施主様の唐津に残る古い家をなくしたくないという思いに応えるべく工事を進め、長年大事に住まい継がれてきたかのような佇まいに生まれ変わった様子にわたしもとてもうれしく、なによりお施主様もよろこばれ無事にお引き渡しすることができました。
コンセプトは、大工の掘っ立て
唐津市
オープンな窓口がなかったので打合せスペースも兼ねて、もともと倉庫だった場所に小さいスペースですが私たちが伝えたい手仕事がみえるStudioをつくりました。
テーマは「大工の掘立に自分で手を入れていく」です。「掘立小屋」はあまりいい意味で使われませんが、私は職人の腕と経験と知恵を生かすという良い意味で解釈しています。
職人の手を借りながら、ある材料を使い、DIYでできることはやって、やってみたかったコト・使いたかったモノも反映させながら、その中で難しいかなということも職人の腕にかかれば思った通りにカタチになったり、逆に簡単に見えるけど手間がかかったり、手仕事を実感しながらコツコツつくりました。
手を入れ続けるスタジオ。
それは、資料室となったり、情報の集積地となったり。
まだまだ完成ではありません。いつでも思い立ったら自由に手を入れる「家」もそうあってほしいなという思いがあり、私たちがいいなと思う空間を日々考え楽しみながらStudioを育てていきます。
個人的に何の当てもなくストックしているパーツ類、たまる雑誌やスクラップブックそれらを共有できたら楽しいだろうなと思いStudioに並べています。そして毎月10日はtenという“Shop“としてもオープンしているので、住まいについてのご相談はもちろんふらりと遊びにいけて、気軽に暮らしについて語れ、何かが見つかる唐津の基地になれたらと思います。
ボロ小屋が、夢見るマイホームになる。
唐津市
このY-houseというのは、私、DIARYの山口俊彦の新しい住まいです。
購入したとには、当初ボロ小屋と思っていた屋敷が立っていたのですが、
まさかそのボロ小屋をリノベーションすることになるとは。。。というお話です。
リノベーションは熱い思いで始まった。
古い家は取り壊して新しく建て直すことが一般的だと思う人がほとんどだと思います。
私もつい最近までそう思っていた一人です。
その一般的だと考えられてきた事に逆らうかのようにこのプロジェクトはスタートしました。
古くなった家を取り壊して新築を建てるのではなく、
DIARYで手を加えて古い家を守り抜く事をテーマとしました。
唐津の街にはまだまだたくさんの古い家があります。
空き家になって放置されている家、先祖代々引き継がれている家、
この家を取り壊してしまうと、家族や街の人との思い出や歴史も一緒になくしてしまうような気がします。
数百年経っている家を修復することは簡単なことではありません。
傷んでいるところや、柱や梁が傾いているところなど、色んな不具合が数多くでてくるでしょう。
そこで、重要になってくるのが大工の腕です。
そこは大工の腕の見せどころ。
昔は手刻みで家を建てていましたが、今は規格化された材料を順番どおりに
組み立てていくように変わっていってます。
手刻みで家を建てるということは、大工の腕が問われます。
若い大工は経験する機会すら少なくなっているのは事実です。
そこで、DIARYではその手刻みの時代から培った技術のある自社大工で、
古い家や唐津の町並みをこれから守っていきたいと思っています。
また、若い大工へ技術を伝承していくことも私の使命です。
このように、ボロ小屋からのリノベーションを自ら経験し感じたことを
綴っていきたいと思いますのでどうかご覧ください。
これまでのY-house リノベーション日記
リノベーション 竣工写真 計18枚